栄養学部教員コラム vol.58
2012.12.13 管理栄養学科 松崎 政三
テレビや雑誌では、食品の特定の成分だけを取り立てて健康に良いとする情報がたくさん紹介されています。市場ではこうした食品をサプリメントという名称を使用して販売されています。
こうした食品を販売するにあたって、ある特定の人の実験結果をもとに効果があると説明されていても、その結果は万人に対して当てはまるものではありません。効果があるとされる成分が入った健康食品に、同じような効果が期待できるかどうかは、製品ごとに試験をしてみなければわかりません。
製品を選ぶ際には、表示や広告を良く確認することが重要です。自分がどのような成分をどの程度摂取するのかを把握することが重要な情報となります。
健康食品を安全に利用する
サプリメント(健康食品)を安全に利用するためには、適切な摂取方法や摂取量、使用する際の注意点などを知る必要があります。食品だから安全という表示や広告が見受けられますが、食品であるということだけでは、健康食品の安全性を説明する根拠とはなりません。効果があった人がいる、有名人が推奨している、といった説明だけでは、食品の有用性に関する科学的根拠とは言えません。また、個人輸入やインターネットオークションで購入した健康食品の中には、安全性に問題があるものも多く見られ健康被害が多数報告された例もあります。特に個人輸入やインターネットオークションでは、購入予定の製品がどのようなものか、きちんと確認することが重要です。市販されている輸入食品は、輸入業者が安全性の確認を行うこととされていますが、個人輸入の場合には安全な製品かどうかの確認は購入者自身が行わなければなりません。自分に必要な情報をしっかり確認できない場合には、購入は控えるべきでしょう。自分にあった健康食品を正しく利用して、健康に役立てるには栄養の専門家である管理栄養士に相談することをお勧めしたします。
健康食品を正しく理解する
① | 健康食品は、素材の種類や食べ方が一般の食品と異なることがあります。そのため、安全性については一般の食品よりも慎重に考えるようにしましょう。 |
② | 健康食品は、あくまで食生活における補助的なものと考えましょう。 |
③ | 健康食品は、病気や体の不調を治すものではないことを意識しましょう。 |
④ | 摂取量には十分な確認が必要であり過剰摂取には注意しましよう。 薬物を使用している場合には特に注意してください。 |
松崎 政三(健康栄養学科)