栄養学部教員コラム vol.62
2013.04.18 管理栄養学科 佐藤 容子
「Which are the greatest recent discoveries and the greatest future challenges in nutrition?(栄養学における最も偉大な発見は何か。そして最も重要な今後のチャレンジは何か。)」? これは、European Journal of Clinical Nutrition 63: 2-10 (2009)に掲載されたreviewのタイトルで、2006年にオランダWageningenで開催されたあるシンポジウムでの興味深い投票結果を報告 しています。このシンポジウムは、140人あまりの栄養学者とその関係者からなる小規模な集いでしたが、いわばその余興として、「What has the field of nutrition research achieved in the way of new discoveries since 1976?(1976年からの30年間になされた新発見)」と「What are the greatest challenges of the coming 30 years?(今後の30年における最も重要なチャレンジ)」の2点について、参加者のディスカッションと投票が行われました。1番目の問いに関する結果 は、添付の表に示されるとおりです。第1位に選ばれたのは、「Folic acid prevents birth defects(葉酸は先天性奇形を防止する)」でした。妊娠中に葉酸が欠乏すると、神経管閉鎖不全という奇形を生じることが知られており、妊婦に十分な 葉酸の摂取を促すのは現在ではなかば常識になっていますが、このような知識も過去における偉大な発見のたまものであったわけです。
佐藤 容子(健康栄養学科)