平成12年に旧文部省、厚生省、農林水産省が合同で策定した『食生活指針』というものがある。
- 1.食事を楽しみましょう。
- 2.1日の食事のリズムから、健やかな生活リズムを。
- 3.主食、主菜、副菜を基本に、食事のバランスを。
- 4.ごはんなどの穀類をしっかりと。
- 5.野菜・果物、牛乳・乳製品、豆類、魚なども組み合わせて。
- 6.食塩や脂肪は控えめに。
- 7.適正体重を知り、日々の活動に見合った食事量を。
- 8.食文化や地域の産物を活かし、ときには新しい料理も。
- 9.調理や保存を上手にして無駄や廃棄を少なく。
- 10.自分の食生活を見直してみましょう。
私が受け持つ公衆栄養学の授業で上記を学習した際に、学生に『大学生のための食生活指針』を考えてもらった。健康、栄養のことを学んでいる学生というだけあり、専門的な視点で考えられたものもあったり、大学生ならではのユニークな発想もあったり、私の予想を上回る指針が提出されたので、紹介したい。
- 1.朝食は必ず食べよう
(食べないと1日のリズムが崩れます。朝食を食べて脳を働かせよう。)
- 2.生活リズムを整えよう
(オール(徹夜)はやめよう。パズドラ(ゲーム)はほどほどに。)
- 3.朝、昼、夕の3食をきちんと食べよう
(人は生きるために知らないうちにエネルギーを消費しています。)
- 4.外食、コンビニ弁当はほどほどに
(毎日、外食やコンビニ弁当などに頼らず、手作りのものを食べるようにしよう)
- 5.お酒は量や飲み方を考えよう
(一気飲み、ゲーム飲み、次の日学校に行けなくなるような飲み方はやめよう。)
- 6.食べることの楽しさを感じよう
(携帯ばかり見ていないで友人や家族との会話を楽しみながら食べよう。)
- 7.薄味になれましょう
(今のうちから薄味に慣れて塩分摂取量を減らし、高血圧を予防しよう。)
- 8.感謝の気持ちを忘れずに
(食事を作ってくれた人への感謝の心をもう一度思い出して、好き嫌いなく食べよう)
- 9.適度な運動を心がけよう
(駅から大学までは歩こう!)
我が国では厚生労働省が中心となり、健康行政を展開しているが、今回の学生が考えた指針を見ていると、現実を知る対象者自身が一番課題も認識しているし、対応策も知っていると感じる。
菅 洋子(健康栄養学科)