栄養学部教員コラム vol.104
2016.05.12 管理栄養学科 山岸 博之
「管理栄養士」と一口に言っても、その活躍の現場は多岐に渡ります。そのため、養成カリキュラムには「臨地実習」という学外での実習が課せられています。本学では3年生の夏休みと4年生になる直前の春休みに、合わせて1ヶ月にわたる「臨地実習」があり、病院、保健所、小学校などの管理栄養士の現場で諸先輩方から直接ご指導いただいています。
秋学期の定期試験が終わると、私のラボでは卒論のために6週間にわたり動物を飼育しました。学生は臨地実習の合間を縫って2月上旬から毎日2~3人が順番で飼育当番をこなしました。この時期には、大学のキャリアセンターが履歴書の添削や模擬面接などがすでに始めていますので、午前中はネズミの世話、午後からはキャリアセンターという慌ただしい日々を過ごしました。今年は、経団連の意向で3月より就活が開始され、関東学院大学でも沢山の企業を招いての独自の合同企業説明会が数多く開催されました。「売り手市場」との前評判ですが、一方で内定が決まるまでの期間が短く、学生にしてみれば短期決戦に出遅れないようにとの焦燥感が強いようです
現在の就活は、合同説明会、web上でのエントリー、本社での説明会、SPI等のペーパ試験、面接へと順次ステップを踏んでいきます。おそらくSPIや面接以上に重要で、ある意味一番の難関は、アルバイトやサークル活動、ボランティアなどの社会経験をもとに自分自身を客観視して、正確に表現することのように思えます。大学での成績はもちろん大事ですが、それ以上に自己表現が上手にできると、「自己実現」するための現場が「希望就職先」となり、そこに就職するための「自己PR」や「志望動機」などで悩むことのないステキな就活となるでしょう。我がラボの学生もネズミの世話を終えると、食事をしながらあれこれ情報交換をしていました。お互いの臨地実習の経験や都市伝説的な情報をもとにあれこれ業界を吟味して、進路について悩みつつ、いつもと少し違う雰囲気でラボから会社訪問に出かけていました。つい先日解剖を終えた(今日は3月23日、明日は卒業式)ので、就活もこれから本格的にスタートです。沢山の努力を重ねた4年間の集大成として約1年後にひかえた国家試験に合格することはもちろん大事です。でも、就活先は「管理栄養士」の募集があるからではなく、さらに一歩踏み込んで「そこで何をしたいのか」で選択できるのが理想と思います。そのレベルに辿り着くまでにはもう少し、もがく時間が必要でしょう。
先日の同窓会で再開した卒業生(女性)の1人は、結婚やパートナーの転勤に伴い複数回の転職を繰り返したそうですが、いずれも管理栄養士として再就職したそうで、なんとも頼もしい限りです。学生たちよ、するべき苦労はしっかり経験し、超えるべき壁を乗り越えて、社会へと巣立って行こう!まずは、就活そして卒論&国家試験だ。ガンバレ!
山岸 博之(管理栄養学科)