栄養学部教員コラム vol.120
2017.09.17 管理栄養学科 小林 靖
よく「むせる」という単語を使いますが、「むせる」とはなんでしょうか。
「むせる」という単語は、食事中に咳をすること指します。ヒトののどにある咽頭は、気道に向かう空気と食道に向かう食べ物飲み物が共に通過する交差点なのですが、加齢や脳神経の疾患によって嚥下の働きが低下して、間違って食べ物飲み物が気管に入りかけると「むせ」が生じます。さらに、誤って食べ物飲み物が気道に入ってしまうことを誤嚥と呼びます。人口の高齢化と共に誤嚥による肺炎が増加しています。
一方で、高齢者の日々の暮らしの中で、食事することは大きな楽しみです。ですから口からの食事が大切なことです。管理栄養士は、他のスタッフと協力して、誤嚥しやすい方に、食べやすい食事を提供する大事な仕事があります。誤嚥の内容はひとりひとり大きく異なります。各人の嚥下機能を評価して食べやすい食形態を決める必要があります。
7月、8月のオープンキャンパスでは、ゼミの3年生が、ベッドサイドでの簡易な嚥下機能評価法の紹介や、水分補給のためのポカリスエットゼリーを作成して、来場の高校生や保護者に嚥下や誤嚥について紹介しました。
小林 靖(管理栄養学科)