教員紹介

栄養学部教員コラム vol.70

2013.11.07 管理栄養学科 山岸 博之

ハードルは飛び越えよう!

管理栄養士や栄養士の養成課程には、「臨地実習」や「校外実習」といった実習授業が組まれており、病院、小学校、保健所、社員食堂などに集中して通い、管理栄養士さんをはじめそこで活躍する現場の方々から日々の実践的業務について直接御指導をいただいている。管理栄養士や栄養士として活躍することを目指している後輩に対し、先輩方の献身的な協力があって初めて成り立つ実習科目である。当然、送り出す側の我々は粗相の無いようにと、ナーバスにもなる(私も学生の頃に経験したが、それまで口やかましかった主担当の先生は、実習を済ませてしまえばとてもフランクな方で驚いた)が、実習生もそれなりに緊張して頑張っている。
私は3年生のクラスアドバイザーをしているが、彼らの多くがこの夏休みに臨地実習の一部を済ませている。短い期間でも濃密な時間を過ごした彼らは、これまでにない経験を積んだことだろう。成績配布の折にクラスの隊長に誘われたので、ベイクウォーターでのクラス会に出かけて行った。隊長の挨拶で乾杯を済ませ、覚えたてのお酒を楽しみながら仲間とともに思い思いの会話に華が咲く様に、セピア色の記憶が脳裏を過る。
私の担当授業が2年生までだからか、それとも彼らの成人式が済んだからか、はたまた臨地実習の効果か、久しぶりにじっくりと顔を合わせた彼らはチョットだけ大人に感じた。そういえば、私が学生の頃は「新人類」、社会人になりたての頃は「バブル世代」などとレッテルが貼られ、目の前の彼らは「ゆとり世代」と表現されている。「ゆとり」に嫌悪感を感じている彼らは、「新人類」や「団塊の世代」が学生時代には感じた事のない就職活動の不安や社会に対する閉塞感を感じているようだ。加えて、「スマホ」に振り回されている彼らの環境は、皮肉なものでかなり「きゅうくつ」に見える。
卒業までの大きなハードルの一つを超えたばかりの彼らには、超えるべきハードルはまだまだたくさんある。大丈夫、仲間に感謝する気持の「ゆとり」を忘れずに、「バカ」がつくほど努力すれば、不思議となんとかなるものさ。挫けず、怯まず、前を向いて頑張って欲しい。世知辛い世の中なので、社会に出れば一足飛びの進歩を求められたりもするが、一つ一つ順番であればハードルは飛び越えられると時折顔を見せる卒業生達が証明してくれている。自信をもってその一歩を踏み出そう。

 

 

 

 

山岸 博之(健康栄養学科)

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