栄養学部教員コラム vol.1
2008.06.19 管理栄養学科 津久井 学
植物性粘性物質の性状解明に関する研究
(食品製造学研究室)
(↑左から、ツクネイモ、イチョウイモ、ナガイモ、ジネンジョ)
植物性粘性食品は食べる他、
増粘やつなぎなど品質改良材、
吸水力を活かした保湿材、
吸着力を活かした工業廃水の浄化など
幅広く利用されています。
健康志向化が進んだ近年では、需要はさらに増大していますが、
年間を通じた安定供給や使用時の簡便性などが求められ、
「冷凍品」や「乾燥粉末」などが少量市販されています。
(↑澱粉に付着する粘質物)
しかし、粘度が低下するなど問題点が多いのです。
これら食品特有の粘性は、その中に含まれる
粘る成分(粘質物)によりますが、
その構造、粘性発現機序などその性状は分かっておらず、
このため、問題の解決には至っていません。
(↑粘質物の走査型電子顕微鏡写真)
そこで、本研究室では
各種植物性粘性食品から粘質物だけを取り出し(写真)、
その構造や粘性発現機序などの性状解析を行っています。
(↑粘質物の分離)
また、これら粘性食品は各種生体調節機能を有することが知られ、
これら粘質物の生体調節機能についても検討しています。
津久井 学(健康栄養学科)