教員紹介

栄養学部教員コラム vol.187

2023.07.11 管理栄養学科 田﨑 達明

韓国キムチ −漬物と私たちパート2−

前回、日本における漬物に関する文化そして当研究室での漬物(発酵食品)について、お話をしました。
地域によって気候風土が異なり、その地で暮らす人々の好みや食品の嗜好も異なっている話をしましたが、今回は隣国、韓国の辛い漬物の話をします。
辛い漬物といえば、キムチです。キムチは朝鮮半島の食文化であったものが、日本の社会に定着したものですが、日本の伝統的な漬物と同等以上に消費され、ドラマや食生活の上でも一連の韓国ブーム中心ともなっています。
キムチは、「野菜および薬味と魚醤を使って漬け込んだ弱い呈味の調味漬け」と定義されており、野菜や薬味の多様な原材料を組み合わせるため種類も膨大だと考えられています。これらは大別すると、ペチュキムチ系、カクトゥギ系、トンチミー系(水キムチ)の3種に分類されます。特に、はくさいなどの菜類の葉の間に薬味を挟み込みつくったものがペチュキムチ系漬物といい、我が国では「キムチ」といえば多くはこれを指しています。

調理方法については、韓国キムチ(韓国で調製されているキムチ)は、微生物を利用した乳酸菌等の発酵により製造されています。
多くのキムチの発酵には、キャベツ、ニンニク、ショウガ、トウガラシなどに由来する乳酸菌が関与しているとされ、もっぱらこれら植物性(由来)乳酸菌などが影響していることが論文等でも紹介されています。
以上のことを踏まえ、当研究室では研究生と共に韓国キムチの微生物関与を調査するため、輸入キムチのサンプルを入手し、それらを構成する乳酸菌を中心に、添加物や調味料等を分析することによって、我が国のキムチとの違いについて検討して行きます。

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