教員紹介

栄養学部教員コラム vol.33

2011.01.27 管理栄養学科 中山 徹

男子は生涯一事をなせば足る。

NHKで「坂の上の雲」を放送しています。表題は劇中で秋山好古(後の日本騎兵の父:写真)の語った言葉です。

 

 

明快な言葉です。しかし実際には、あれこれ努力して生涯に一事をなす事が出来れば幸運でしょう。
例えば研究の世界での「一事」は、独創的な発明や発見です。ある目標に到達しようとするとき 多くの人材を擁し資金も豊富な組織にはかなわないように思われます。しかしながら必ずしも画期的な仕事がそのような組織でしか生まれないということではありません。
それはしばしば偶然から生まれます。落ちる林檎をみて万有引力の法則を発見したニュートンや、誤って作った試料を測定し新しい質量分析法を発見しノーベル賞を受賞した田中耕一さんなどがこの例です。

偶然をきっかけに大発見をする能力をセレンディピティといいます。棚からぼた餅という言葉があります。私はこれを単なる幸運とは思いません。落ちてくるのがぼた餅であると気づき、それを受け止める能力が必要です。
ぼた餅はしばしば落ちます。ぼた餅に気がつかず通り過ぎてしまうことは本人にとっても社会にとっても不幸なことです。セレンディピティを生かす為には「一事」をなさんとする野心と、ぼた餅を見逃さない知識と努力が必要です。

偶然は準備のできていない人を助けない (パスツール、生化学者)。

 

 

中山 徹(健康栄養学科)

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