栄養学部教員コラム vol.76
2014.04.24 管理栄養学科 津久井 学
最近のニュースで、中国から黄砂やPM2.5がという報道を目にするようになり、私の車にも黄砂と思われる汚れが付いて気になっていました。黄砂を防止するには砂漠の緑化(治砂)が必要ですが、皆さん「沙蒿(サーホウ)」という植物をご存知ですか?沙蒿はキク科ヨモギ属の植物で、中国西北部内モンゴルの乾燥地帯に広く分布しています。黒沙蒿(Artemisia ordosica)と白沙蒿(A. sphaerocephala)があり、前者の方がより乾燥に強いのですが、種子表面に強力な粘り成分が存在し、これがわずかな雨も逃さず給水し土壌を固定後、発芽、成長、繁殖するため、砂漠の緑化につながるのだそうです。昨年、他大学の先生から公益財団法人オイスカの冨樫さんを紹介され話を聞くうちに、なぜ、現地の方はこの植物を繁殖させないのか?疑問を持ちました。冨樫さんによると内モンゴルでは、治砂以外の利用価値がないと誰も繁殖に協力してくれず、むしろ家畜が種子を好むため、せっかく繁殖させても食べられてしまうのだそうです。植物の粘りを約20年研究してきましたが、この粘りは尋常ではありません。必ず有効利用化できるものと確信しております。高校生の皆さん、一緒に沙蒿に夢をみませんか!!
沙蒿写真 | 沙蒿播種前 |
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沙蒿による治砂後 | 沙蒿種子 |
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沙蒿種子吸水後2分 |
津久井 学(健康栄養学科)