古今東西、正直者は馬鹿を見なかった時代はない

“正直者は馬鹿を見る”このキャンパスからも聞こえてきた。財布を拾って、本人に渡したが、真っ先に「あっない！」と言われ、すごく気分が悪かった・・云々。これは本当のような気がする。古今東西を問わずバカを見なかった時代は無く、私も正直に申せば正直者とは言えない。「正直貧乏、横着栄耀(おうちゃくえいよう)」という諺もある。
だからといって、嘘偽りで暮らしているわけではない。真正直は窮屈で、誤解をも生み、困難で修行的でもある。だが、この世に「正直が無い」なら闇世である。嘘の中に隠された誠を知ることもあるとはいえ､嘘を嘘で塗り固める詐欺･泥棒のヒトデナシの世界である。とすれば“正直”は品位を作り、慈愛･敬愛の品格界に君臨する。
神仏の戒律にも「嘘を言ってはいけない。」とあり、嘘つきは神仏への背信でもある。つまり正直は神仏の領域にあり、損得に迷う凡人には手が届かない。
だが諦めるには早い、凡人にも正直者になる簡単な方法が１つある。それは「嘘をついた」と謝っちゃえば、たちまち虚妄の闇は消える。それは何度でも有効だが、告白だけではまだヒトデナシであるという。どうも正直と誠実は同居しているらしい。告白が真面目であればヒトデアリになる。つまり、人に成れるのである。「そうですよねー　坂田先生」・・・・。

角田　光淳（健康栄養学科）