栄養学部教員コラム vol.89
2015.04.02 管理栄養学科 角田 光淳
本学「2010ふれあい祭り」に出展し、健康栄養のコンセプトの1つ風味改善の大豆アイス(豆アイス)を出品していた時の事である。乳卵アレルギーの男児がお母さんと一緒に「豆アイスなら食べられるかも」と目を輝かせ試食にやって来た。しかし、豆だけのアイスはまずく、卵黄を混ぜていた。「これは、卵が入っているよ」と説明したとたん、絶句し顔をゆがめ眼が潤み涙した。いたたまれず「来年おいで!食べられるアイスを作ってやるから」と慰めてしまった。翌年、その子が「せんせい来たよ」といって試食した。「ウワーアイス、アイスだ!冷たくって甘~い」とはしゃぎ、お母さんは目頭を拭われていた。
「このまずいアイスでも、こんなに喜ぶのか・・・・・」、「もっと気入れて、ましなものを作ってやる」と心に決め、以来、大豆を用いた乳卵アレルゲンフリーなどの食品開発に学生と共に取り組むことになった。おかげで、大豆臭の風味を改善し、乳卵アレルギーに悩む子の夢を乗せた関東学院大学発の“ミラクルきなっこ”を研究開発できたことに感謝している。現在、これを利用した応用食品の開発を進めている。「豆が嫌い」以外であれば、乳卵アレルギーに悩む子に、喜んでもらえるものと期待している。
■ 関東学院大学ホームページ ニュース(2015.11.21)「角田研究員が開発した大豆粉を使用したジェラートが完成。」 http://univ.kanto-gakuin.ac.jp/main/news/2015111602.html
角田 光淳(健康栄養学科)