栄養学部教員コラム vol.102
2016.03.17 管理栄養学科 中村 優
初めて教員コラムを担当させていただきます。昨年の4月に本学に赴任し、食品についての授業を担当しています。
さて、ヨーグルト、チーズ、バター、アイスクリームなど、牛乳を原料とした加工食品は多くありますが、牛乳を生産してくれる牛(乳牛)について皆さんは、どのくらい知っていますか。
日本で飼育されている乳牛の約9割は白黒模様が特徴的な「ホルスタイン」という品種で、乳量が多く、性格が穏やかで、寒さに強いという特徴があります。
そんなホルスタイン、いつでも牛乳を出せるイメージですが、牛乳は仔牛を育てるためのものなので、人と同じように、仔牛を生んだ母牛しか牛乳を出すことはできません。
また、ホルスタインは牛乳用の品種だと思われがちですが、牛乳を出すために、毎年出産と妊娠を繰り返すと、次第に搾乳量が低下してしまうため、5~6年で「乳廃牛」となり、その後は食肉用(お肉)として皆さんの食事になっています。
「健康に良いとされるヨーグルト」や「おいしい焼肉」は、牛の「いのち」をいただいているのです。牛に限らず、豚、鶏、魚、野菜など、わたしたち人の健康は、動植物の生命に支えられていることを忘れてはいけないですね。
「いただきます」の言葉に表されるように、食に携わる方々と、食材に対する感謝の気持ちを持った管理栄養士を目指してほしいと思います。
中村 優(管理栄養学科)