教員紹介

栄養学部教員コラム vol.116

2017.05.17 管理栄養学科 松崎 政三

病院・高齢者福祉施設等、施設内の栄養管理から在宅訪問による栄養管理が期待される

日本は世界一の長寿国となり、世界に類を見ないスピードで高齢社会となりました。その背景には国民皆保険制度に代表される公的な医療インフラがあることを忘れてはなりません。しかし医療インフラは社会の人口構造の変化により大きな変革が求められています。その変革のスピードは近年増しつつあります。この改革頻度が高まった要因は、世界一の長寿国である日本の現状そのものと言えます。平均寿命が延び、急速に超高齢化社会になり、さらに医療水準の高度化等により、医療費が著しく増加しその多くが高齢期に費やされています。つまり高齢化社会への移行が医療費を急速に増加させることになっています。
厚生労働省は施設医療・福祉から在宅医療・介護福祉へと在宅に舵を切っています。
こうした医療環境の中で管理栄養士は、これまでのように病院・介護福祉施設を中心として活躍してきましたが、患者さんや高齢者が住み慣れた地域すなわち生活の場である「在宅」に活動の場を広げていく必要が求められています。
在宅療養中の患者さんや高齢者、並びに家族の食事に対する思いは誰もが食べている一般食を食べさせてあげたいと強く願っています。しかし、本来、食形態は病態や口腔機能に合わせて提供されるべきであります。うまく食べられないことから、食事時間が極端に延長し、個人対応になっていない為に結果として残食が多くなり低栄養に陥ることもあります。食べることは生きがいにつながります。食べられる食事を提供しなければなりません。管理栄養士が対応したならば医師との相談により、個人の身体機能、栄養状態を評価して適切な栄養処方が可能となります。今こそ栄養の専門家として知識及び技術を栄養の指導に結び付け円滑な支援が実施出来る標準化したシステム作りが求められています。
厚生労働省も管理栄養士の在宅での活動を強く求めています。

 

松崎 政三(管理栄養学科)

  • 一覧に戻る
PAGE TOP
〒236-8501 横浜市金沢区六浦東1-50-1 TEL:045(786)7002
Copyright(c)2013 Kanto Gakuin University All rights reserved.