栄養学部教員コラム vol.117
2017.06.17 管理栄養学科 山田 哲雄
関東学院大学で学んでいる学生の皆さん、また、このコラムを見ていただいている高校生の皆さん、元気でお過ごしでしょうか? きょうは2017年6月10日土曜日、今年も早や梅雨の季節となりました。6月8日投開票のイギリスの総選挙では、メイ首相率いる与党・保守党が過半数に届かない結果となりました。
2001年9月に起きた米国同時多発テロ事件(9.11)以来、世界では極めて不安定な状況が続いています。皆さんの多くは、当時、小学校に上がっていない年齢だったと思います。高校生の皆さんはおそらくは記憶にないはずで、気が付いた時からずっとこのような世の中で暮らしていることになります。
昨年の教員コラムに書きましたが、私は一昨年12月に学会でフランスに行ってきました。その前の月、11月13日には同国で同時多発テロが起こり、120人以上の人々が犠牲になりました。街中には多数の警察官、自動小銃を抱えた軍の関係者たちが警戒に当たり、エッフェル塔に上るのにも、厳しいセキュリティチェックで、平日の夜にもかかわらず長蛇の列でした。
昨年は12月9日に成田を発ち、ベルリンで開催された9th International Conference on Cachexia, Sarcopenia and Muscle Wastingに参加し、12月12日にドイツを出国しました。現地では移民受け入れによる治安への影響が囁かれていましたが特に変わったこともなく、今回は平穏な旅だったと思っていた矢先の12月19日の夜に、ベルリン市内のクリスマス・マーケットに大型トラックが突っ込むテロ事件が起こりました。記憶に新しいところです。
学会翌日の午前中(午後の便で帰国するため)には、ベルリンの壁のスポットを回ってきました。1961年に突如作られ1989年に壊されたベルリンの壁ですが、思えば崩壊したのはつい最近のことであり、その当時に現在の世界の状況を予測できた人はどれだけいたでしょうか。写真は、市内のベルナウアー通りに残されている壁の一部です。
2017年に入り、予想されていたように至る所でテロが起こり、国際関係がぎくしゃくし、不測の事態もまた懸念されています。現在の世界の情勢は、まさに予断を許さない状況であり、“世の中がおかしな方向に行かぬよう、誰もが熟考すべき時代である”ということを強く実感しています。
ベルリン市内のベルナウアー通りに残されているベルリンの壁の一部(2016年12月)
山田 哲雄(管理栄養学科)