教員紹介

栄養学部教員コラム vol.125

2018.02.17 管理栄養学科 津久井 学

「食品包装」

 食品包装は中身の食品がメインであることから、普段あまり気にしないか、むしろゴミなどの環境問題として取り上げられる一方で、生鮮食品から加工食品の多くに利用され、なくてはならないものだと改めて感じます。管理栄養士の国家試験でも包装問題が出題されることもあります。包装の歴史はかなり古く、動物の皮、土器、植物の葉などから始まり、近代ではビン詰、缶詰、レトルトパウチ食品などその保存技術はすごいの一言です。

 

 近代の食品包装の始まりは、1804年にガラスビンに食品を入れ加熱殺菌することで保存性を高める加熱ビン詰技術(アペール法)を開発したニコラ・アペール(フランス)に始まります。この方法により製造したミルクが6年後に試飲できたそうです。1810年にはピーター・デュラン(イギリス)がブリキ缶を開発し、その後様々な人により種々の改良がなされていきます。その中でも1888年に缶底と胴部の接合に利用する液状ゴムを開発したチャールス・アムス(アメリカ)や1897年にチャールスと共同でジュリアス・ブレンジンガーが現代でも使われる二重巻締技術を開発します。1900年代に入ると、アメリカ陸軍補給部隊研究開発所で缶詰の廃棄やより重量が軽いレトルパウチ食品の開発に繋がり、1968年2月世界初の一般向けレトルト食品として、現大塚食品が開発した「ボンカレー」の発売に繋がります。これら技術は最初は軍事目的でも現在では一般に広く普及しているほか、宇宙食にも利用されています(写真1)。

 

(写真1)

 

 日本ではレトルト食品はカレー以外にも米飯、パスタなど種々ありますが、やはり売上高の1/3以上はカレーが占めているようです。こんなレトルトカレーもそのお店特有のカレーや地域の特産物を入れたりなど各地で活発に販売されています。私も10年位前から少しずつ買ったり、学生からこんなのありましたなどもらっていたら、現在、こんなに増えてしまいました(写真2)。意外な楽しみを与えてくれた過去の偉大な先人達に感謝です。

 

(写真2)

 

 

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