栄養学部教員コラム vol.186
2023.06.20 管理栄養学科 高橋 史江
新型コロナウイルス感染症は5類感染症になり、キャンパスもコロナ禍前のような学生の活気と明るい笑顔が戻ってきつつあります。巷からは「4年ぶりの〇〇開催！」などの心躍る話が聞こえてきます。ご多分に漏れず私も久しぶりに出かけてみました。確かに人・人・人…。しかも老若男女問わず。正に「たくさん出かけて…」そのものです。このフレーズ、何処かで目にしたような…。
思い出しました。令和元年、厚生労働省が高齢者のフレイル予防事業として作成した「食べて元気にフレイル予防」のパンフレット1)（図1）と動画,2)の中です。
ところで、皆様はフレイルをご存じですか？
「フレイルは，要介護状態に至る前段階として位置づけられるが，身体的脆弱性のみならず精神心理的脆弱性や社会的脆弱性などの多面的な問題を抱えやすく，自立障害や死亡を含む健康障害を招きやすいハイリスク状態を意味する。」と定義（要約）されています（フレイル診療ガイドライン2018年版3））。また、フレイル予防は日々の習慣と結びついていることから、栄養、身体活動、社会参加を見直すことが勧められています（図２）1)。
具体的なフレイル予防のための食事の摂り方のポイントは、
１． ３食しっかり摂る。
２． 1日2回以上、主食・主催・副菜を組み合わせて食べる。
３． いろいろな食品を食べる。
と記されています。
今は一見縁のない話だと思われるかもしれませんが、皆いずれ高齢者になります。他人事ではありません。備えあれば憂い（患い）なしです。
行動制限がなくなった今だからこそ、皆が安心して外出や社会参加ができる、その礎となる身体づくりについて栄養面からご一緒に考えてみませんか。
参考資料：
1）食べて元気にフレイル予防
https://www.mhlw.go.jp/content/000620854.pdf
2）食べて元気にフレイル予防（動画）
