栄養学部教員コラム vol.195
2024.04.16 管理栄養学科 佐藤 容子
私が関東学院大学に赴任したのは、今から17年前、2007年のことです。赴任して最初に書いた教員コラム(2008)は、私が行っている光学的測定法についての紹介でした。生命現象は、生体を構成する細胞の電気的活動により営まれていますが、この光学的測定法は、細胞膜電位活動を光のシグナルとしてとらえるもので、従来の電気生理学的測定法とは異なる原理を応用した測定法です。 昨年(2023年)5月、この光学的測定法の開発者であるL. B. Cohen博士(Yale大学教授)が急逝されました。冒頭の「Much of it started by the man in a red shirt.」は、Neuron誌に掲載されたCohen博士への追悼文(Kleinfeld, D., Neuron 111: 2123-2125, 2023)の最後を締めくくる一文です。Cohen博士は、若い頃からいつも赤シャツや赤セーターをトレードマークとして着用しており、自ら設立した会社にもRedShirtImagingという名前を付けていました。 2022年8月には、Cohen博士の共同研究者として光学計測法の開発に携わり、日本にこの測定法を持ち帰った、私の恩師でもある神野耕太郎博士(東京医科歯科大学名誉教授)も逝去されており(日本生理学雑誌 85, No.1: 16-19, 2023に掲載された追悼文を参照)、一時代を築き上げた先人達が次々と身罷られたことは寂しい限りです。この場をお借りして、改めて両博士のご冥福をお祈り申し上げます。