栄養学部教員コラム vol.153
2020.08.18 管理栄養学科 中村 優
平成27年4月1日に食品表示法が施行されました。経過措置期間については、旧基準による表示が認められていましたが、今年の4月(令和2年3月31日)に経過措置期間が終了しましたので、現在の食品の表示は完全に食品表示法に準じた表示となっています。
食品表示法では「加工食品と生鮮食品の区分の統一」、「アレルギー表示に係るルールの改善」など変更点は多くありますが、中でも身近で大きな変更点は「栄養成分表示の義務化」ではないでしょうか。これまで塩分は、ナトリウム(Na)の量で表示されていましたが、食品表示法では「食塩相当量」(塩化ナトリウム:NaCl)としての表示となります。「食塩相当量」とは、食品に含まれている「ナトリウム」をすべて食塩由来とみなした場合に相当する食塩の量を計算したものです。ナトリウム塩を添加していない食品については、ナトリウムとしての表示ができますが、ナトリウム量の次に食塩相当量を括弧書きで表示しなければいけません。
ナトリウムの量を食塩(NaCl:塩化ナトリウム)に換算するには・・・???NaClは原子量23のNaと、原子量35.5のClが1つずつ結合しているので、NaClの式量は58.5となります。Na(23)がNaCl(58.5)になるということは、重さが2.54倍(58.5 ÷ 23 ≒ 2.54)になるということです。つまり、ナトリウムの量に 2.54 を掛けると食塩の量に換算できます。ナトリウム1.0gは食塩相当量では2.54gになるのです。
理科、化学は苦手…という人も心配いりません!理科科目は、大学でも基礎から勉強できます!担当している食品学実験では、食品に含まれる成分(タンパク質や脂質など)を分析していますが、学生みんな実験や計算ができるようになっています。「食品」、「食」、「栄養」に対する好奇心と管理栄養士になりたいという熱意が大切だと思います。