教員紹介

栄養学部教員コラム vol.109

2016.10.17 管理栄養学科 菅 洋子

『キエーロの土で畑づくり』

キエーロとは、葉山町在住の松本さんが考案した土を利用した生ごみ処理機で、土中の微生物がごみを分解し、臭いや虫が発生しにくいことなどから、葉山町をはじめとした地方自治体が各家庭への導入を推奨しています。一般的な生ゴミ処理機とは異なり、ゴミを入れ続けても量(かさ)が増えないことが特長です。関東学院大学では地域へのキエーロの普及推進に取り組むとともに、学生寮、認定こども園などでも使用しています。

栄養学部では調理実習を行う機会があるため、定期的に生ゴミが出ます。この処理にキエーロを活用してはどうだろうかと、小山副学長からの提案を受け、早速栄養学部の西側に設置し、まずはどんなものがどんな分解速度なのかをお試しで入れてみました。設置に先立ち、本学の卒業生でもある葉山町の山梨町長と環境対策課の職員の方にお越しいただき、使用方法のレクチャーを受けました。

魚、肉、油、汁気があるものは最適で(通常生ゴミとしては最も処理に困る臭いが出やすいもの)、野菜や野菜の皮は分解速度がやや遅いようです。鶏手羽の骨などはなかなか分解してくれません。とうもろこしの芯、冬瓜の皮も消えるのに時間を要しました。

キエーロはバクテリアなどの微生物が生ゴミを処理することにより、キエーロ内の土は栄養物を含む土となるため、その土を利用した野菜作りを次のステップとして試みました。この話を教職課程の授業ですると、畑を作りたい!という学生が声をあげてくれ、有志数名で夏にミニ菜園を作りました。

手始めに、ミニトマト、ナス、きゅうり、かぶ、大根、大葉、バジルなどを育てています。気にかけてくださる先生方のお知恵とお力を借りながら、なんとか畑の作物も生長し、近いうちに収穫祭を予定しています。また、実際にキエーロ製作にもチャレンジし、台数を増やす予定です。

キエーロに入れた生ゴミ中の種からも新たに作物が成長する様子も観察できました!まだまだ活用試みの段階ですが、栄養学部から出る生ゴミを農作物に変化させる良い循環サイクルを作成していきたいと考えています。

 

1 23

 

菅 洋子(管理栄養学科)

  • 一覧に戻る
PAGE TOP
〒236-8501 横浜市金沢区六浦東1-50-1 TEL:045(786)7002
Copyright(c)2013 Kanto Gakuin University All rights reserved.