栄養学部教員コラム vol.150
2020.04.24 管理栄養学科 田中 弥生
皆さん、元気に過ごしていますか? 4月も後半となりましたが、学生の皆さんのお顔も拝見できないまま今日に至り、とても淋しい気持ちで一杯です。
4月7日(火)、新型コロナウイルス感染症対策本部で緊急事態宣言が発令されました。
最前線である医療・福祉現場で活動を続ける私の病院時代の管理栄養士の仲間や病院で勤務している卒業生をはじめ医療従事者は、この感染症患者様のために命を削って仕事をしています。本当に感謝の念に尽きません。
特に管理栄養士業務での問題は、病院の厨房内で感染者が出てしまうと患者様の食事が提供できません。また、この感染症により食事が摂れない人が多く、栄養不良にさせないマネジメントも必要です。
ウイルスの感染防止には、密閉、密集、密接を避ける、手洗い、マスクの着用が推奨されています。さらに大切なことは、ウイルスに対する抵抗力を維持、強化すなわち免疫力を上げることです。免疫力を上げることにより感染症にかかりにくくなります。
免疫能の低下の原因には、食欲低下、極度のストレス、疲労、睡眠不足、飲酒や喫煙、持病等がありますが、中でも重要なのは栄養と食事そして運動です。
最近、免疫は、多様な成分が複雑な代謝を営むことや多くの栄養素が関わっていることが
研究者の間でわかってきました。私たちは食事からとる多くの成分を総合的に作用しながら、ウイルスと戦い健康を維持しています。栄養バランスの取れた食事をとることで、免疫に関与する多品目の食品を摂取するのが科学的な根拠であると述べられています。また、腸内環境を整えるヨーグルト、納豆、キノコなどの食品をとることも効果的です。現実、外出を控える方針のため、食品を爆買いしてしまう人の中には、インスタント食品や冷凍食品も多く、栄養バランスのとれた食事とはいいがたく簡単に済ませている人も見受けられます。
まずは、新型コロナウイルスに打ち勝つ体力を持つこと、栄養と食事そして体を動かすことが必要です。管理栄養士は、栄養バランスを考えた食事作りの伝達、それは免疫栄養療法という感染症への戦術となります。これからしっかり学び、免疫栄養療法のわかる管理栄養士を目指しましょう。
管理栄養士・栄養士の情報は(公社)日本栄養士会のホームページを参考にしてください。
コロナウイルス電子顕微鏡写真