教員紹介

栄養学部教員コラム vol.193

2024.01.23 管理栄養学科 山岸 博之

慣れ

運動不足が気になり、大学から自宅まで9kmちょっとの家路を歩き始めて数年経った。コロナ禍では減量目的なのか、ウォーキングやジョギング中の方とすれ違うことも多かったが、最近はあまり見かけない。最初は2時間ほどかかっていたが、最近では調子が良ければ90分を切るほどだ。この現象はトレーニング効果、つまり体が慣れた成果なのだろう。
慣れるためには、筋肉痛を何度となく繰り返している。不思議なことに、足腰から背中へと痛む場所が移動する。そして、筋肉痛が和らぐと体重が落ち、所要時間が短縮する。そしてまた、筋肉痛→慣れ→記録更新→筋肉痛と繰り返す。このサイクルを自覚してからは、筋肉痛もモチベーションとなり、徒歩で帰宅する頻度も高くなった。
「慣れ」とはある局面では「習慣化」あるいは「無意識化」ともいえるだろう。家路の中盤で現れるきつい坂道は、今でこそ心肺機能を鍛える場所になっているが、当初は「絶望感」と共に「覚悟」が必要な場所だった。
およそ90分間の家路は、本を読むわけでもなく、音楽を聴くでもなく、スマホやPCを扱うこともできない。つまり、直接的に仕事をこなす時間ではない。しかし、最近では、ストレスを発散したり、頭の中のモヤモヤを整理したり、あるいは「無」の境地に近づくための心身ともに貴重な時間だ。

心肺機能を鍛える坂道

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