教員紹介

栄養学部教員コラム vol.171

2022.04.02 管理栄養学科 佐藤 容子

たかが骨折されど骨折

3年前、腕の骨を骨折しました。上腕骨の肩に近い部分が、折れるというよりパックリ割れて、腕がピクリとも挙がらなくなりました。1ヶ月半、三角布で固定して、無事に骨折は治りましたが、その後が大変でした。

よく教科書に、「筋肉は使わないと萎縮する。だから長い間寝たままだと歩けなくなる」とか、「関節は動かさないと拘縮して(固まって)動かなくなる」などと書かれていますが、まさしくそれらを経験することになりました。三角布で固定して1ヶ月もたつと、鏡で見た腕の太さが左右で明らかに違う! つまり、ケガした方がやせ細ってしまったのです。骨折が治って腕を動かす運動を始めると、もう関節が固まっていて全然のびない! 曲がらない! 腕が挙がらない! 無理に動かそうとするとこれが痛い!!

3年もたってからこの骨折のことを思い出したのは、昨年同僚で同じ箇所を骨折した先生があっという間に回復したのに対して、私の方は(3年もたったのに!)いまだに元のようには動かすことができず、「何なんだこの差は!」と、(多分年齢による)差を実感したからです。年をとってからの骨折について、よく「たかが骨折されど骨折、骨折が命取りに」と言われますが、なるほど、この回復の悪さとリハビリの大変さが、寝たきりに結びついて、QOL(quality of life)を下げることになるのだと思いました。実際、私の祖母は二人とも、大腿骨頸部を骨折して手術をしましたが、その後一度も自分の足で歩くことはできずに亡くなりました。やっぱり、「骨折が命取りに」なってしまったのですね。

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